社長メッセージ

株主の皆様には、格別のご支援とご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

2022年3月期は新型コロナワクチンの接種拡大などとともに、徐々に社会経済活動の正常化が進んだものの、都市部店舗の回復遅れなどの影響により、当初想定ほどの売上回復に至らない厳しい状況となりました。業績予想の修正をすることとなり、株主の皆様には多大なるご心配をおかけいたしましたこと、お詫び申し上げます。

回復のスピードは当初の期待を下回ったものの、業績は段階的に改善しています。苦戦が続いていた実店舗も緊急事態宣言の明けた下半期の既存店売上高は前年同期の113.3%となり、4月以降も回復基調が続いています。在庫調達のコントロールで定価販売比率を高めたことで、売上総利益率は前期から4.7ポイント改善の49.9%となり、2020年3月期の水準に近づいています。不採算事業、店舗、取り組みの精査を進めた成果も表れ、販管費額も2020年3月期の8割水準まで抑制できています。2022年3月には自社ネット通販サイト「ユナイテッドアローズ オンライン」のリニューアルを行い、実店舗とネット通販を融合させるOMO*戦略もスタートを切りました。今後の売上伸長とともに、利益回復が図れる土壌は整っています。

当社の経営理念において、「5つの価値創造:お客様価値̶従業員価値̶取引先様価値̶社会価値̶株主様価値」を社会との約束として位置付けています。これはお客様満足を拡大させることを起点にして、最終的に全てのステークホルダーの価値をバランスよく高めていくという当社の基本的な考え方です。すてきな商品を、すてきな接客でご提供し、心躍る感動的なお買い物体験をお届けすることでお客様価値を高め、最終的に株主様を含む全てのステークホルダーへの価値提供につなげる。当たり前のことではありますが、ユナイテッドアローズという企業体としてとても大切にすべきことであり、絶対に忘れてはならない考え方です。

社会が急速な変化を続ける中、当社を取り巻く環境も大きく変わっています。この変化によって、これまで当社が長く培ってきたことや、大切にしてきたことが流されてしまわないように、どんな変化があっても感動の提供を大事にしてきたからこそのユナイテッドアローズであること、この絶対的な強みをもう一度磨き上げ未来につなげることを忘れてはいけない。この思いをこめ、2023年3月期の経営方針を「感動提供:すてきな接客、すてきな商品、ヒトのチカラ、モノのチカラ」と定めました。

「感動提供」を実現するための重点戦略として、既存店の回復を図ることを掲げています。そこに向けて取り組むのが、1.感動接客–販売力の底上げ、2.感動クリエイション–商品力の底上げ、3.新たなUAへの挑戦–積極的なトライアンドエラーの3つです。お客様の気持ちに寄り添い、心を動かすことができる当社の接客力に磨きをかけ、商品一点一点に時間と熱量をこめ、その価値に共感していただけるよう、商品開発力の強化に努めます。過去の成功体験や既成概念にとらわれず、新規ブランド開発などの新たな価値提供に向けたチャレンジも積極的に行います。

これらの施策の下支えとなり、当社の継続的な成長を担保するベース戦略として掲げたのが、ES推進、DX推進、サステナビリティ推進の3項目です。ES推進では、人事評価制度の改定、学びの提供、従業員個人の志向や意欲も反映させた適材適所の人材配置を進め、「感動提供」を作り上げる基礎になる従業員の満足度向上を目指します。DX推進では、2022年3月に実施した「ユナイテッドアローズ オンライン」のリニューアルを皮切りにしたOMOの推進、サプライチェーンのデジタル化に加え、デジタル情報を駆使してマーケティング力を強化します。サステナビリティ推進については、商品廃棄の極小化、脱炭素化に向けた活動、サプライチェーンにおける人権尊重、環境配慮素材の積極使用などを進め、その取り組みを積極的に開示し、社会からの共感を得ていく方針です。

国際情勢の変化や急激なインフレなどの先行き不安定な環境が続く中でも、当社の実店舗や通販サイトには多数のお客様にお越しいただき、ファッションを楽しんでいただいています。どんな環境においても、やはりおしゃれをすること、お買い物をすることは楽しいものであり、お客様の生活を潤し、元気にする力があるものだと再認識しています。2023年3月期は当社の全活動を「感動提供」に集中させ、お客様満足を極大化させた上で、株主の皆様への価値提供につなげていく所存です。

株主の皆様には、ユナイテッドアローズ グループに引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

* Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合を指す。

2022年6月
代表取締役 社長執行役員 CEO